パソコンで動画を扱うことの利点は,自由度が高いことである。「こんなことがしたいな」と思ったら,それができるソフトをインストールすればいい。
しかし,パソコンは不安定な道具でもあって,いつも調子がいいとは限らない。また,起動に時間がかかったり,操作手順が面倒だったりする。
やっぱりテレビの録画は DVD レコーダーに任せたほうがいいかもしれない,と最近思うようになった。そこで,DVD レコーダー選びのポイントと,DVD レコーダーで作成したデータをパソコンで編集する方法について,調べてみたので以下に報告する。
[目次]
DVD レコーダーを買おうと思ったとき,一般には,
「簡単に使えることを重視するならパナソニックかパイオニア,いろんな使い方ができることを重視するなら東芝」
という定説があるといってよいようだ(2004年10月現在)。
このほか,三菱は起動の速さで勝負,などといった各社ごとの特徴がある。
しかし,当然,これだけで決められるものではない。私は,DVD レコーダーを選ぶにあたって,次の項目をチェックしたい。
上記のポイントを検討していくと,購入候補として最有力なのは東芝の RD-XS53 や RD-XS43 ということになった。
この機種(以下,併せて「現行RD機」と呼ぶ)は,53 は 320 GB,43 が 250 GB と十分なハードディスク容量があるし,扱えるタイトル数も 396 だというから,まあ足りそうだし,フォルダ機能もある。BS チューナーも内蔵だし,地上波チューナーは2つある(つまり,BS+地上波または地上波2つというW録画が可能)。画質(ビットレート)の設定にはマニュアルモード(ほぼ無段階)もあり,DV端子もある。
そして,特筆すべきはネットワーク対応。現行RD機には,現行RD機同士で相互にネットワーク経由のダビングができるという機能がある。そして,この機能を解析して,パソコンにもコピーできるようにするソフト「VirtualRD」というのを作った人がいる。このソフトをインストールして現行RD機と同じネットワークにつなぐと,現行RD機からは,パソコンが現行RD機に見えて,パソコンをコピー先にすることができるというわけだ。これは,パソコンとデータのやりとりをすることが前提となる本サイトの使用目的からすると,とても重要なポイントとなる。
そのほか,ネットワークに接続していると,外出先からメールで録画予約をしたり,録画予約していた番組の放送時間変更をメールで通知してくれたりもするらしい。ただしこれはインターネット上でサーバーとして振る舞うことにより実現される機能なので,使い方に気をつけないとスパムメールの送信に一役買わされてしまうことになったりしかねないけれど。
ちなみに,最初に購入候補に上がったのはパイオニアの DVR-620H-S だった。店頭でいじってみると使いやすそうだったし,単に「DV 端子がある」というだけでなく,そこから映像を取り込む操作がわかりやすく,取り込んだ映像をキビキビ編集できるらしいし(『ビデオサロン』2004年9月号41頁)。それに,DVD-Video のマスターディスクをコピーして配布用ディスクを作成するのにも使いやすい。
しかし,DVD-RAM に対応せず,ネットワーク経由でダビングすることもできないのは残念。これでは,パソコンとのデータのやりとりはあまりスムーズにいかないだろう。DV 端子を利用する手もあるが,パソコンと近いところに設置できるとは限らない。
また,BS アナログチューナーもない。それを求めると,DVR-720H-S になる。これは,しばらくは 10 万円を切ることは期待できない。
一方,現行RD機の弱点は,使い勝手の面でいえば,EPG がインターネット接続していないと機能しない方式(DEPGおよびiEPG)であること。これはちょっと珍しい。置き場所を選ぶことになってしまう。
それと,DVDドライブの書き込み品質に難があるとされていることもかなりの問題だ。
また,図体がでかく(厚みがパイオニア 59mm に対し 78mm),起動などが遅いというのもできればどうにかしてほしい。
第1の点については,9月以降発売される機種では ADAMS も併用となって(「WEPG」と称している),インターネットに接続していなくても番組表が更新できる。
また第2の点も,11月中旬発売予定の新最上位機種 RD-X5 で解決されると期待されている。
それが本当なら,RD-X5 は最強機種ということになる。しかしこれだと,価格条件を満たさない。しばらく経っても,10万円を切るところまでは落ちてきそうにない。
ただ,推奨メディアを使えば書き込みに失敗することはそんなにないだろうから,ドライブのことはとりあえずよしとすることもできる。そうなると,近く出ると噂されている,現行RD機を WEPG化などマイナーバージョンアップした後継機種(RD-XS56,RD-XS46)で,ひとまず手を打つことができそうに思う。マイナーバージョンアップだから,これらにも「VirtualRD」は通用するだろうし。
[2005/01/09追記]
その後,噂どおり後継機種である RD-XS46,RD-XS36 が発売された(型番は勘違いしてました。すみません)。
WEPG 化されて使いやすくなったばかりでなくドライブも松下製になったというから,もうほぼ死角はない機種になったといえるだろう。
発売当初は,セカンドのチューナーで録画したときに音飛びがするという不具合があったらしいけれど,それも今は解決しているらしい。
あとは,値段が下がってくれば買って,パソコンとの連携のことなど書けるのだが。
[2008/02/10追記]
DVDレコーダに搭載されているDVDドライブの型番については,【DVDレコーダー】光学ドライブ換装 に詳しく記載されている。