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Let's note CF-S21 のハードディスクを 40GB に換装

(新規作成2002/09/28-29)

愛用のLet's note CF-S21 の弱点は,今となってはあまりに少ないハードディスク容量(3.2GB)。
ノートパソコン用の大容量ハードディスクもずいぶん安くなり,今では1万5000円前後で 40GB のものが買えます。つまり,10倍以上にもなるのです
ずっと買う機会をうかがっていましたが,本日(2002/09/28)とうとう買って,換装を実行しました。

[目次]


ハードディスクの選定

前日(2002年9月27日)の夜,どのハードディスクにするかを検討しました。

ふつうは IBM か東芝かの選択でしょう。しかし....

ハードディスクは,最初,IBMの Travelstar 40GN(IC25N040ATCS04)にしようと思っていました。キャッシュが 2MB,回転数が 4200rpm です。
BIOSの限界を超えるためのツール Disk Manager も使えるし,製品に関する情報提供も充実しているし,ハードディスクといえばやっぱり IBM という意識もありまして。
しかし,価格.com によると,これが BLESS さん(パーツの値段はここを一つの目安にしています)で 15,200円
もう一世代あとで,キャッシュが 8MB,回転数 5400rpm の Travelstar 40GNX(IC25N040ATCS05)が 22,800円まで下がっていました。
以前に比べれば,価格差がずいぶん小さくなっています。
そこで,価格.com の掲示板で 40GNXについてどんな評価がされているかを見てみると,動作音がかなり耳障りな模様。
それと同時に,けっこう「はずれ」の品も出ているみたいでした。不良な個体の発生率が同じあるいは低くても,売れている数が多ければ不良個体の数も多くなるわけで,単によく売れていることの証なのでしょうが,どうしても,IBM への信頼が薄らいでしまいました。
それに,IBM はハードディスク事業を20億ドルで日立に売却するっていうし(IBMの発表日立の発表)。IBMのハードディスク事業は5四半期で5億1500万ドルの損失を出していたそうですから,ずいぶん苦しかったのですね。
「これまでは採算度外視で良い品をより安く提供していたってことだろう」と考えれば,いま IBM のハードディスクはお買い得,と言えるでしょうが,そんな苦しい中で作ったものだと,どこかに無理があるんじゃないかという気がしてしまいます。

となると,次に検討の対象となるのは東芝。
キャッシュが 2MB,回転数が 4200rpm で,流体軸受けを採用した MK4018GAS が,BLESS さんでは 15,700 円でした。
しかし,これも 価格.com の掲示板では,流体軸なのに音がけっこう気になるという声があったり,不良個体に関する書き込みがあって,ちょっと踏み切れませんでした。

富士通の MHR2040AT に決定

そこで思い出したのが,Let's note CF-S21 のハードディスクはもともと入っているのが富士通製だということ。
それなら,富士通のも検討してみよう,と思って,また価格.com へ。
キャッシュ 2MB,回転数 4200rpm で流体軸受けの MHR2040AT は,BLESS さんでは 16,300 円でした。
掲示板での評価が意外なほど良いものでした。特に参考になったのは,この機種の音が東芝 MK4018GAS より大きいけれどあまり不快ではない,という発言。
音の感じ方は人によって違うし,ハードディスクの個体差も当然あるので,この機種の音が私にとって不快でないという保証はないのですが,これに決めました。

富士通は,最近もFMVシリーズのハードディスクに不具合があったりして(富士通の発表),あまり信頼のおけないメーカーという意識がありました。業績も非常に悪化しています(PC Watchの記事)。
しかも,デスクトップ向けハードディスクの開発をやめるというし(富士通の発表),不安だらけ。
でも,モバイル向けのハードディスクを重視していることの表れと考えて,賭けてみることに。

秋葉原へ出かけ,TWO TOP で 15,800円で購入しました。


CF-S21だと換装はあまりに簡単

家に帰って,付け替えました。

ノートパソコンの中を開けるのは相当緊張しましたが,さや さんのサイトに記載されている「S2x のHDD換装」のとおりにやると,いとも簡単に完了しました。
付け加えるべき新情報は何もありません。さや さんのサイトをご覧ください。
キーボード部分を上にあげた状態での内部の写真だけ,お見せしておきます。

Let's note CF-S21 の内部

本体裏側のネジを3本外して,表に返してキーボードをツメから外して上に持ち上げると,写真のような姿となります。
左側に見えている長方形が,ハードディスク。
その左の方(端の方)が,ピンで結合されているので,それを右側に引き抜けば,ハードディスクは外れます。
代わりのハードディスクを同じ位置に差し込んで,キーボード,ネジを元に戻せば,出来上がり。
油断は禁物ですが,難しいところは何もありません。


フォーマットとOS のインストール

次は,フォーマットとOSのインストールです。
CF-S21のBIOSにはいわゆる「8GBの壁」があって,それ以上の容量を認識しません。この問題を回避するには,いくつか方法があるようです。

  1. Disk Managerなどのツールを利用する
  2. 8GBの壁がないマシン(デスクトップ機)でフォーマットしてから取り付ける
  3. Windows 2000 なら問題なく認識する

私は,もともと,Windows 2000 を入れるつもりだったので,a,b は試みませんでした。
「起動フロッピーでLAN接続してWindowsをインストール」でやったときと同じように,Windows 98 と Windows 2000 のデュアルブートにすれば,まったく問題ないと考えました。
しかし,ここから先は,一度つまずきました。

最初は,8GB を超える領域に Windows 2000 インストールを試み

最初は,次のようなパーティションを考えました。

これは,Dドライブをできるだけ広くとろうと考えた結果です。
Windows 2000 を使えば 8GBを超える領域も使えるようになるとはいえ,何かトラブルがあって,フロッピーで起動して救出しなくてはならなくなることは十分にありえます。
そんなとき,8GBを超える領域に置いてあるデータは救えない場合が多いでしょう。
そうすると,なくなると大いに困るようなデータは,8GBの内部に置いておきたい。
そこで,Windows 2000 は8GBを超える領域に置こうと考えたのです。
次の手順で行いました。

  1. Let's note CF-S21 ファーストエイドFDで起動する
    なるほど,たしかに,8GBまでしか認識されていません。
    けれど,とりあえず8GBまでは認識してくれたことをむしろ喜ぶべきでしょう。
  2. FDISK でCドライブとDドライブを作成して,Cドライブをアクティブに設定する
  3. Cドライブをフォーマットする
  4. Windows 98 のインストールをする
    Windows 98 のインストール手順は,「起動フロッピーでLAN接続してWindowsをインストール」のときと全く同じですので省略します。
    Windows 98 のインストールはこの手順どおりで,なんの問題もなく完了しました。
  5. Windows 2000 のインストールCD を,利用するCDドライブに入れる
  6. Windows 98 を起動し,CD-ROM を開いて,セットアッププログラムを開始する
    キーボードの種類の特定の後,Windows 2000 をセットアップするパーティションを選択するように促されます。
    インストールするパーティション
    Windows 2000 なので,8GBを超える領域も「未使用の領域」としてきちんと認識されています。
  7. いいぞ,いいぞ,と思いながら,ここに Windows 2000 をセットアップしたいので,未使用の領域を選択して,C キーを押す
    すると,作成する領域の大きさを指定する画面になります。
  8. 未使用の領域も E と F の2つに分けたいので,まずEドライブの大きさを指定しようと思い,数字を入力しようとする
    しかし,入力できません。何度か試みましたが,ダメです。
  9. しかたなく,全体を一つの領域にして,インストールを開始する
    ひととおりのコピーが行われて,うまくいくかなあ,と思わされます。
    しかし,しばらく進むと,再起動され,再起動後つぎのようなメッセージが出て,止まってしまいました。
    Disk I/O error: Status = 00000100
    Disk I/O error: Status = 00000100
    Disk I/O error: Status = 00000100
    
    次のファイルが存在しないかまたは壊れているため,WIndows 2000 を起動でき ませんでした: <windows 2000 root>¥system32¥ntoskrnl.exe. 上記のファイルをインストールし直してください。

OS は両方とも8GBの内側にインストール

カーネルが存在しないかまたは壊れているというのですから,単にコピーの際にトラブルが発生したとかという問題ではなさそうです。ディスクシステム上の問題がありそうです。
Windows 2000 も,8GBを超える領域をブートのための領域にすることはできないのでしょうか。
そういうことなのかどうか,正確な理由はわかりませんが,とりあえずの回避策として,8GBの領域内に Windows 2000 をインストールするようにパーティションを考え直すことにしました。

今度は,次のようなパーティションを考えました。

これを,次のような手順で作成しました。
いろいろ試みてグチャグチャになったので,完全にゼロからやり直しました。

  1. 上記の 1. から 4. をやり直す
    今度は8GB以内の領域に C・D・E ドライブを作成・FAT32フォーマットし,C に Windows 98 をインストールします。
  2. E に Windows 2000 をインストールする
    今度は何の手間もかからず,インストール完了です。
    ここから,8GBを超える領域にパーティションを作成します。
    後に必要があって,またすべてをゼロからやり直す機会がありました(2002/10/01)。
    そのときに,ふと気がついて,Windows 2000 のインストールの前に,8GB超の領域に基本パーティションを作成しました。
    それにより,下記の4.〜5.の手順は不要となりました。
  3. Windows 2000 を起動して,管理ツールの ディスクの管理 機能でディスクの中身を表示する
    8GBを超える領域が未割り当ての領域として表示されます。
    ディスクの管理
    ここにパーティションを作成します。
    最初,どうにかして,拡張パーティション(画面の緑の枠)の領域を未割り当てのところまで広げる方法がないか,と探してみたのですが,どうやら,ありませんでした。
  4. しかたなく,2つめのプライマリ(基本)パーティションとしてパーティションを作成する
    パーティションはできましたが,これによって,パーティションの番号が変わるようです。
    Windows 2000 のインストールされたパーティションは,3から4へと番号が変わります。
    (新しく割り当てた領域が基本パーティションなので,それが第2パーティションとなり,以後番号が1つずつずれる)
    そのため,boot.ini ファイルの記述を変更しないと Windows 2000 は起動できない旨のメッセージが表示されます。
  5. boot.ini ファイルを開く
    boot.ini ファイルは,Cドライブの直下にありますが,隠しファイルであり,かつ保護されたシステムファイルなので,フォルダオプションが初期状態のままでは選択されません。
    [ツール−フォルダオプション]の表示タブで,すべてのファイルとフォルダを表示する を選択し,かつ,保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない のチェックを外して編集します(編集後は,後者はまたチェックを付けておきます)。
    また,読み取り専用属性がついているので,これも外して編集します(編集後また読み取り専用にします)。
  6. ファイル内の partition(3) をpartition(4) と書き替えて上書き保存する
    これで,正しくデュアルブートできるようになりました。

以上により,Windows 98 と Windows 2000 のインストールと,8GBを超える領域を利用可能にすることができました。
これまた理屈はわからないのですが,こうやると,Windows 98 からでも,8GBを超える領域が利用可能になります。
いちおう,めでたしめでたし。

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