モバイル
飾りとしてじゃないモバイルツールならこれが一番,と思っているのが,NEC Mobile Gear II と Panasonic Let's note CF-S2x系 です。
あまりスタイリッシュではありませんが,使えば使うほど満足度が高まっています。
使いやすいのです。機能美こそ本当の美,という気がしてきます。
(あくまで,このジャンルでの比較であって,他のジャンルの磨きぬかれた機能美の製品の足元にも及ばないことは言うまでもありませんが)
みなさんもお仲間になりませんか。
メモ帳代わり:Mobile Gear II
ポケットには入らない,けど
いつも持ち歩くのは,NEC の Mobile Gear II (MC/R530)です。
OSとしてWindows CEを搭載しており,Windows CE上の各種アプリケーションが使えます。
持ち歩くといっても,サイズが245(W)×131(D)×28.8(H)mm,重さが770gの,いわゆる「ハンドヘルドPC」に属するものなので,Palm とか Pocket PC のような「パームサイズPDA」とは違い,《胸ポケットからサッと取り出す》わけにはいきません。
ポケットに入れるには大きすぎ,Windows98/95機に比べると機能が落ちる。
ハンドヘルドPCは,そんな中途半端なツールと見られがちです。
しかし,そうではないのです。
打ちやすいキーボードはどうしても欲しい
まず,パームサイズPDAと比べてみます。
ハンドヘルドPCがパームサイズPDAに比べて優れている点は,正味のところ,つぎの2つしかありません。
- キーボードで入力できる
- 拡張性が高い(外部インタフェースが多い)
しかし,この2点が大きい。この2点はサイズが大きいことと引き換えにしか得られない利点ですから,サイズの点は気にならなくなってきます。
そして,1.の優位性が,とくに Mobile Gear II ではキーピッチがノートPCに近い16.5mmであるということもあって,私にとっては圧倒的なものなのです。
パームサイズPDAってみんな何に使うんだろ? スケジュール管理くらいしか使い道がないんじゃ,いくら小さくても携帯品を1つ増やす気にはなれないけどなあ。
それより,ちょっと大柄になっても,思いついたことや聞いたことを,Windows98/95機と同じ感覚でいつでも記録できるほうがいい。
私はそう思って,Mobile Gear II を選択しました。
Windows98/95と同じソフトが選べるのも大事
この《Windows98/95機と同じ感覚で》という点を補足しておきます。
Mobile Gear II をはじめとするWindows CE機では,Windows98/95機の世界で定評のある
のポケット版が使えます(しかもMC/R530などにはPocket ExcelやATOK Pocketはプリインストール)。
この3つはふだん私がWindows98/95機上で使う3大ソフトですので,これらの分野のソフトを,新たに別の操作を覚えずに使えるというのはとても大きなメリットです。
ちなみに,Wordやポストペットにもポケット版があります。
カードスロットで使い勝手よし
さらに,図体の大きい分だけ,MC/R530にはいろいろな接続インタフェースが付いています。
- 内蔵モデム(56kbps)用モジュラージャック
- 携帯電話/PHS接続コネクタ
- シリアルコネクタ(プリンタに接続可能)
- 外部ディスプレイ接続コネクタ
- CFカードスロット
- PCカードスロット
特に,CF(コンパクトフラッシュ)カードスロットとPCカードスロットは重要です。
CFカードにはデータをたくさん貯められます。また,Windows98/95機とデータをやりとりするにも,ケーブルでつなぐよりCFカードをフロッピーのように使うほうが便利な場面が少なくありません。
PCカードをつなげられると,さらに拡張性が増します。
LANカードでネットワーク接続することもできますし,Windows CE 対応の SCSIカードを使えば,外付けのハードディスクドライブやCD-ROMドライブも使えます。
こういったカードが使えないと,使い勝手が悪くて結局あまり活用できないのではないか,と思ってしまいます。
(ただしこの点にはちょっと留保あり。じゃあどれだけカードスロットを活用しているか,といったら,それほどでもなく,「いざとなれば使えるぞ」という安心感・期待感のほうが大きい気がするので)
起動・終了が早い
このように,パームサイズPDAより実用性に優れたハンドヘルドPCですが,そのOSである Windows CE の機能は,Windows98/95 には及びません。
そして,Windows98/95搭載のミニノートPCにも,Mobile Gear II 並みの大きさのものがあります。
なのになぜそれらのWindows98/95機を使わないのか。
ミニノートPCは高いから? そうではありません。
Windows98/95機に対するWindowsCE機の優位性は,WindowsCE機がハードディスクを使わないことからくるものです。
WindowsCE機は,データをハードディスクに格納せずにメモり(RAM)に蓄えます。パソコンだと,電源をオフにすればメモリ上のデータはすべて消えますが,WindowsCE機では,電源オフ時にも僅かな電流によって記憶が維持されるのです。
また,OSはROMに記憶されています。
そうすると,まず,起動・終了が早いです。
起動するときに,ハードディスク上のデータを読み込んで展開して,という手順がないわけですから,瞬時に起動します。
また,データの保存操作をせず書きかけで電源を切っても,メモリ上のデータが消えませんから,再度電源を入れれば,文書は書きかけのままでそこに存在しています。つまり,終了も瞬時。
なお,バッテリーを抜き取ったり,フルリセットをおこなったりすると,メモリが初期状態に戻り,メモリ上に蓄えられたデータはすべて消えてしまいます。ですから,私はデータはメモリではなくコンパクトフラッシュカードに記憶するようにしています。
そうすると起動時にはコンパクトフラッシュにアクセスするための時間が必要となるので,起動が「瞬時」とはいきませんが,1秒はかからないと思います。
じょうぶで電池長持ち
また,パソコンの部品の中でいちばんデリケートであるハードディスクを使わないということは,ノートPCより手荒な扱いができるということでもあります。
ノートPCもときどき持ち歩いて使いますが,どうしても不安がつきまとい,データのバックアップに神経質になってしまいます。その点,Mobile Gear II のほうは,万が一本体が壊れてもコンパクトフラッシュ上のデータが無事であれば平気なわけですから,心おきなく持ち歩けます。
(ハードディスクがきわめて高価で,すべてフロッピーに記憶させていた時代を知っている古くからのパソコンユーザーがこの使い方を見ると,奇妙な先祖返りに見えるかもしれないですね)
それに,Windows CE機はノートPCよりバッテリーの持ちがずっといい。
MC/R530の場合,カタログ値でいって,約10時間持ちます。
実際の使用条件では,この半分くらいだとしても,5時間は余裕ですから,3時間程度の会合のメモなら,何の心配もなく記録できます。ノートPCだと,カタログ値でせいぜい5時間程度。実際には,2時間も経とうとする頃には,不安で使っていられなくなります。
Mobile Gear II 関連サイト
- FNECMC
- Mobile Gear を中心に、モバイルコミュニケーションに関する情報や利用方法などについて意見交換するためのNiftyのユーザーフォーラム。
- PDABiz
- NEC のモバイル製品情報ページです。
-
- Mobile Gear II の OS である Windows CE のユーザーによる Windows CE 総合情報サイト。
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ノート代わり:Let's note CF-S21
トラックボールはマウス以上
ノートPCといえば VAIO のかっこよさが際だっています。
しかし,「見せびらかす」のでなく本気で「使う」なら,PanasonicのLet's noteがお勧めです。
それも,光学式トラックボール使用でちょっと厚めの「CF-S2x」シリーズが一番いいです。このシリーズは,現行機種である CF-S23 が個人向け市場には投入されず,企業向けとしてだけの販売になっているので,情報が得にくく購入しづらいものになってしまっています。残念なことです。
このシリーズのウリであるトラックボール,最初はちょっと慣れなくて使いづらい感じがしますが,30分もすると,もうタッチパッドになど戻れなくなります。
タッチパッドを使っていると,イライラしてマウスをつないで使いたくなります(実際,以前のマシンではそうしていました)が,トラックボールは,逆に,(少なくともWindows機の)マウスより使いやすいです。
これは嘘じゃないです。嘘だと思う人は,花戸和哉氏のつれづれっつのーとをぜひ一度お読みください。
厚めになるハンディが転じて長所に(バッテリ,キーボード)
上で「ちょっと厚め」と書きました。トラックボールを搭載すると,どうしても厚みが必要になってしまいます。最近の主流のノートPCと比較すると,かなり厚く感じます。
しかしその欠点は,その分だけ大きなバッテリーを積めるという長所にも転じます。
実際,Let's note CF-S2x シリーズのバッテリーの持ちは,群を抜いています。
ノートPCは,持ち歩いて使うとはいっても,バッテリーだけで使うことは実際にはあまりないでしょう。
多くは,持ち歩いたあと,AC電源のあるところで使うことになるでしょう。私も実際そうです。
そう考えると,バッテリーの持ちはそれほど重要でないかもしれません。
けれども,カタログ値で2時間程度のやつだと,バッテリーで30分も使うと心配になってきてしまいますから,ちょっと耐えられないですね。
CF-S21は,カタログ値で5時間。すくなくとも2時間くらいまでは安心して使えます。
また,CF-S2xシリーズはキーボードも他のノートPCと比べて打ちやすい感じがします。IBMのThinkPadにひけをとらないんじゃないでしょうか。
これも,厚みがあることと関係があるのかも。でも同じくトラックボールを使っていて厚めのCF-B5シリーズのキーボードはなんかヘナヘナしている。関係ないんだろうか。
正統派の作りで拡張性十分
Let's note S21 を使っていて,周辺拡張機器との相性問題に悩んだことはまったくありません。
これは,ノートPCとしては,かなり珍しいことだと思います。変な裏技を使って機能を詰め込んだり,薄くしたりということをしていないためでしょう。
やはり無理な薄さを追求すべきではないのだと思います。
だから,改造,というか,パーツをいろいろいじくるのも,比較的簡単らしいです。
私自身は未経験ですが,ハードディスクの換装も,交換作業じたいはとっても簡単だと言われています。問題は,S21 は8GBを超えるハードディスクにBIOSが対応していないことですが,これも,IBMのDiskManagerなどを使うことでカバーできるようです。
RAMは最大96MBとされていますが,その限界も回避する方法があるらしいし。
通好みの Let's note の面目躍如というところでしょうか。
Let's note 関連サイト
●公式・準公式サイト
- FPANAPC
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- パナソニックPC サポートページ
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- 私は”れっつら〜
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●ノートPC ユーザーの情報交換サイト
- Let's note 情報 BBS
- トラックボール系を中心に,古き良き Let's note に関する情報交換をする BBS(掲示板の元来の趣旨としては,Let's note に限らないそうだけれど)。
情報の集まり具合は相当のもの。
●トラックボール系 Let's note のハードディスク換装に関するサイト
- いつかのレッツら〜
- Let's note「CF-S21〜S23」・「CF-A77」・「B5R」で遊ぼう
- トラックボール系 Let's note のハードディスク換装手順が,写真入りで詳しく載っている。
- GoToの Let's note S21 ハードディスク交換手引き
- 8GBを超える容量のHDDにBIOSが対応していない Let's note S21 にそれ以上のハードディスクを載せる方法の解説
●ノートPCのハードディスク換装に関する情報
- 携帯PC HDD換装の部屋
- ノートPCのハードディスク換装に関する老舗ページ。デザインもきれいです。
- ノートPCのHDD交換
- IBM Thinkpad 1400 2611-454のハードディスク換装体験記。写真入り。
- 2.5インチHDD騒音情報
- ノートPCの場合,ハードディスクが静かかうるさいかはかなり気になるもの。ノート用の代表的なハードディスクの騒音比較表などが載っています。
- オリイナシステムデザイン PCアップグレード
- 「ノートパソコンのハードディスク交換」のコーナーをクリックすると,換装の手順の解説がある。
●ノートPCのアップグレードやHDD換装を請け負う企業
- サテライトアップグレードステーション
-
- アップグレード&リサイクルサービスMAXUS
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